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シベリウスの1番のほの暗い名演ケーゲル [CD・DVD]

Aオケの仲間から、ケーゲル指揮ライプツィッヒ放送響のシベ1を借りました。4番シンフォニーとのカップリングです。
すでに何度か聴いてみましたが、本当に素晴らしい演奏で作品の持つ新たな魅力を再発見しました。

4番もそうですが、1番も本当に暗い。嫌になってしまうほど音色が暗く、そして、音の芯が強い。そのバランスが見事です。今、どのような音になっているのかちょっと分かりませんが、冷戦時代の東ドイツのオケはこれほど音色が暗かったのか~と驚くほどなのですが、その音色で弾かれるシベリウスの本当に暗いこと…。ここまでやってくれると、逆に作品の新たな魅力が全面に出てくるのだから、演奏って面白いですよね。

もともとシベリウスって暗い音楽だと思いますが、近年はやりの演奏って、ちょっと違うのではないかと感じます。輝かしく豊麗なサウンドで明るくからっと演奏してしまう。1番のシンフォニーなどは、特にそういった傾向があるのではないでしょうか。

そうした意味では、シューマンなども同じ傾向にあると思います。難解で魅力がなかなか分かりにくいというのが、シューマンの特徴で本来、それが彼の音楽の魅力なのだと思うのですが、演奏によってそうした部分をクリアにしてしまう。もしかすると、そのことによってシューマンの魅力を知る人が増えるかもしれない。ただ、それは本当にシューマンなのでしょうか…。どうもその辺りが僕には疑問に思うところなのです。

さて、こうした鋼鉄のような音色を持つ凄腕のオケをケーゲルの豪壮ともいえる解釈が引っ張って行きます。特別なことはしているわけではないですが、確信に満ちていて本当に素晴らしい。感銘を受けました。

4番も良かったですが、僕の好みでは、第4楽章の恐ろしいグロッケンの音色がカラヤン/ベルリンフィルの方が好きですね。
カラヤンの演奏は、新ウィーン楽派を思わせるような異様な恐ろしさがありましたが、ケーゲルの演奏は、ちょっと直線的にすぎるかもしれません。果たしてシベリウスの頭の中ではどのような音がなっていたのでしょうか。

ただ、シベリウスは生前、カラヤンやオーマンディの演奏を評価していたらしいのですが、そうしたゴージャスな響きが彼のイメージだったのでしょうか。よく分かりません。
シベリウス:交響曲第4番、交響曲第1番

シベリウス:交響曲第4番、交響曲第1番

  • アーティスト: ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団,シベリウス,ヘルベルト・ケーゲル,ライプツィヒ放送交響楽団,ヘルベルト・ケーゲル(P)
  • 出版社/メーカー: WEITBLICK
  • 発売日: 2007/10/26
  • メディア: CD



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