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バイロイトのワルキューレ見た! [ワーグナー]

先ほどバイロイト音楽祭の世界初ナマ放送を見終わりました。ティーレマンのワルキューレ、素晴らしかったです。

さすがに朝5時まで見続けるのは無理ということで、録画を朝10時から見始め、休憩もきちんと各幕1時間とったので、見終わったのは夕方でした。

正直、自由時間はすべてコントラバスにかけている今、時間的、精神的余裕が相当に必要なワーグナーから少し遠ざかっていました。最近ワーグナーを聴いたのは、ウィーンで神々の黄昏を観て以来、なんと1年半ぶりです。最近はもっぱらマゼールがベルリンフィルを振ったオケ版リング抜粋CDを聴くくらいでした。
さて、今日のバイロイト、やはり「ティーレマンの」ワルキューレというべきでしょう。オケが雄弁なこと、本当に凄いです。ティーレマンのリング1年目にも4部作すべてCDにして聴いていますが、そのニュアンスの豊かさに感動しましたが、ティーレマン最後となる今日のワルキューレはそうしたニュアンスに加えて、自由さと大胆さがすべて備わった、完成された演奏と思いました。例えば、ピアニストに自在に弾かれるピアノのようにオケが指揮者の手足となっていたのが印象的でした。
期待薄だった歌手たちも予想を超え素晴らしかったです。身体が巨大な双子はドラマチックさには欠けるものの、フレーズが綺麗な歌いまわしが魅力的で、シェロー、ブーレーズ以降のかつての演劇的なものとは対極的な音楽重視の役づくり。これもティーレマンの意向でしょう。回顧的なのでしょうが、あまりに演劇的な舞台に慣れている僕らにはむしろ新鮮でした。

さて、あまり評判のよくないドルストの演出ですが、僕は全面肯定派ですね。インタビューでのドルストの解釈はあまり明快なものではありませんでしたが、「演出家が解釈する必要はなく、ただ、作品を語ればよい」と言っていたのが彼のコンセプトでしょう。音楽のツボを外さない演出というのが印象です。音楽が高揚してきてクライマックスになった瞬間に恋人が抱き合うといった感じ。また、細かくは書きませんが、これまでのバイロイトの演出のオマージュ、あるいはコラージュのようなおもしろさも感じました。

これまでにも、バイロイトの映像作品はたくさん見ていますが、アングルも自然でしたし、普段見られないカーテンコールやリハーサルなども見ることができ、かつてないおもしろさでした。とにかくライブらしい生々しい雰囲気は格別でした。

これまで8年にわたり応募してきたバイロイトのチケット申し込み、今年は娘の吹奏楽コンクールなどから断念しましたが、今回見ていて、封印していた僕のワグネリアン魂が再燃しましたね。来年から、また、申し込みをしたいなと思いました。ただ、ティーレマンのリングが終わってしまうのが残念です。また、2013年はワーグナー生誕200年でリングの新演出上演があるでしょうから、そこでぜひ行きたいですね。

ワグネリアンの皆さんいかがだったですか。
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コメント 3

白

朝の5時すぎまでライヴで聴きましたよ!
やはりティーレマンは年ごとに進化していますね。リハなどを観ると、ティーレマンは左手で各パートに的確な指示をしているため、歌手の歌いだしなど全くズレがないし、オケのアインザッツも実によく揃っている。他の指揮者の場合は時にわずかなズレがあるのだが、ティーレマンはヴァーグナーの作品の微細な点までも熟知しているため、ライトモチーフが他の指揮者では不明な箇所でもクリアーに聞こえてくるのですね。ダイアモンドでいえば、クラリティの高さでしょう。
by 白 (2010-08-30 14:47) 

ディオニソス

やはり真のワグネリアンなら、ライブで観たいところですよね。

あれだけゆれる解釈にも関わらず、オケが乱れなくついているし、表現のクオリティも高い!オケがティーレマンを信頼しきっているのが、聴いていると凄く分かる演奏でしたね。同じティーレマンでも、以前、何度か聴いたドイチェオーパーのオケの乱れぶりとは対象的ですね(笑)。

それと、これまでの指揮者の演奏に比較して、歌手達のドイツ語がよく聞き取れたのも、ティーレマンの指揮の特徴と思いましたが、白さん、どうですか?
by ディオニソス (2010-08-30 22:17) 

白ネコ

ディオニソスさん、白ネコが正しいです。当方の入力ミスですみません。
おっしゃるとおり、オケが信頼しているのが判りますね。また歌手のドイツ語の発音の明瞭さなどもおっしゃるとおりです。きっと歌手への細かな指示があるのでしょう。フリッカの藤村さんもきれいなドイツ語で表現されていました。
by 白ネコ (2010-08-31 19:04) 

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