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ワーグナーの交響曲、名作です! [ワーグナー]

ワーグナーが19歳で書いた交響曲ハ長調知ってますか!?
もちろん習作のたぐいの作品なのですが、素敵な作品ですし、ワーグナーの交響曲観がよくわかる作品ですから、ワグネリアンの方はぜひ聴いてもらいたいと思います。
以下、ホームページからの転載です。
 
レーグナー/ベルリンRSO

ワグネリアンであれば、この作品を避けては絶対にいけない。この作品を聴くと、ワーグナーがいかにベートーヴェンを尊敬し、目指していたのかがはっきり分かる。さらに、彼がなぜ交響曲作家ではなくオペラ作曲家となっていったのかが理解できる。

曲の構成や雰囲気はベートーヴェンの7番に非常に似ている。後にシューマン夫人となるクララが、この作品のライプツィッヒ初演における評価をシューマンにあてて書いた手紙が残っている。そこでクララは、この作品のできばえはあまり良くないものの「ベートーヴェンの第7に似ている」ことを指摘し、さらに先を越されてしまった交響曲の分野でワーグナーに負けないように叱咤激励している。

僕らのオケでいつかこの作品をぜひ演奏してみたい!

フローリアン・メルツ/クーアゼクシッシェフィルハーモニー

上のレーグナーなどでこの作品に親しんだ人がこの演奏を聴くと本当に驚くだろう。早いテンポ、奥深い古楽器の音色、そして、切り込みの鋭いティンパニの打ち込み、さらには、譜面の変更。第1楽章の冒頭を聴いた瞬間に驚愕し、驚きと喜びで最後まで聞き終えた。

とにかく、これまでに聴いてきた2枚のディスクとは似てもにつかぬもの。実は、これを演奏しているクアーザクセンフィルは、古楽器の演奏に非常に経験を持っているらしく、このCDでも、この作品が初演された1832年頃に演奏されていたであろういわば古楽器で演奏している。響きは朴訥としているのみならず、フォルテやフォルテッシモの打ち込みがなんとも激しくベートーヴェン的。これまでに聞いてきた2枚のディスクでもベートーヴェンに似ているなと感じる部分はあったが、この演奏ほど全編がベートーベン的ではなかった。生き生きとして、かつ衝撃的でさえある。とにかくリズムの饗宴。クララ・ヴィーク(のちのシューマン夫人)がベートーヴェンの7番に似ているとシューマンに報告したとおり、とにかく7番を彷彿とさせられる。少なくともこのディスクを聞いた多くの人がベートーヴェンの作品を古楽器で演奏したものだと勘違いするだろう。

しかも譜面がこれまでの2枚とはだいぶ異なる。序奏であまりに激しく打点を打ち込むティンパニに度キモを抜かれ、スコアを確認したところ、そんなパートは譜面に書いていない。その後も僕の持っているmphというミュンヘンの会社から出ているスコアに書いてないパートが続出する。逆に、実にワーグナーらしい響きがする第2楽章のトロンボーンのパートがコントラファゴットに差し替えられていたりするし、最終楽章のコーダー手前では、トランペットやトロンボーンら金管楽器を中心としたフーガが突如として始まって、これは本当に驚いた。何とも前衛的!

このスコアの改変は指揮者によるもの?と思ったが、解説を読んでその理由が判明した。
この作品、1832年にプラハで初演され、1833年にゲヴァントハウスで演奏された後、1836年にそこの指揮者となったメンデルスゾーンに演奏が託され原譜が手渡された後、彼の早世後、散逸してしまった。しかし、1877年になってプラハでの初演に使用したパート譜が発見され、それを元にワーグナーの弟子であるザイトルがロマンティック楽器のためにスコアとして復元したものが1911年になって公開された。僕らがレーグナーなどの演奏で聴いてきたのはその復元版。しかし、今回のディスクは、1832年にプラハで演奏された原典版を使用しているのだという。

第2版が洗練されているのに対して、原典版のなんとも荒削りでパワフルなことか!大変な魅力。
レーグナーの指揮がマイスターとなったワーグナーによる演奏だとすれば、今回のメルツの演奏は、ベートーヴェンに憧れ、目指していた若者ワーグナーの演奏だろう。この2枚を持っていればこの作品の全てが分かると言っても過言ではないだろう。

こうなると、欲がどんどん出てくるが、個人的に、ティーレマンや飯守泰次郎による壮大かつ濃厚な表現で聴いてみたい、かなわぬ夢か…。              



ワーグナー:交響曲 ハ長調

ワーグナー:交響曲 ハ長調

  • アーティスト: レーグナー(ハインツ),ワーグナー,ベルリン放送交響楽団
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2007/10/10
  • メディア: CD



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コメント 3

バルビ

寒いですね。当方では昨日雪が降りました。風邪やインフルエンザですから、お互いに気をつけましょう。

ワーグナーの唯一のシンフォニーというのは、私は息子のジークフリート・ワーグナーの曲だと思っていました。父リヒャルトにも唯一のシンフォニーがあったんですね。しかも同じハ長調。

「無名名曲鑑賞会」という本があり、私はこれで「マイナーだけれども美しい音楽をかく作曲家や音楽のこと」を知りました。この本をもとにLPやCDを買ったこともあります。

この本の中に、息子ジークフリート・ワーグナーの唯一のシンフォニーの紹介があり、書いてある内容から「手に入れたいリスト」に入れておいたのです。つまり、このブログ記事を読むまで、ワーグナーのシンフォニーと言えば、息子のシンフォニーだと思っていたわけです。

こうなるとがぜん、父・息子両方のシンフォニーを聴いてみたくなりましたね。ご紹介、ありがとうございます。
by バルビ (2011-12-18 18:08) 

Forte

バルビさん、こんばんは!

ワーグナー父の交響曲、なかなかいい曲ですよ。

ワーグナーが偉大な作曲家にならなければ、もっと演奏されるような気がします。ベートーヴェンの5番と7番をモデルに作曲されたことは明白です。もちろん、その2曲の水準まで言っていないのはもちろんのことですが。

レーグナーのCDは普通にいい演奏ですが、フローリアン・メルツ指揮のクーアゼクシッシェフィルハーモニーの演奏は、パンチが効いていて、なかなか面白くきけますよ。


by Forte (2011-12-18 21:36) 

Forte

>無名名曲鑑賞会

おもしろそうな本ですね。ジークフリート・ワーグナーの交響曲は、youtubeでも聴けますね。



by Forte (2011-12-18 21:40) 

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