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工藤重典フルートマスタークラス受講 [コンクール]

もう、先週の事ですが、東京の某音楽大学で行われた工藤重典フルートマスタークラスを娘が受講し、僕も一緒に行って、聴講してきました。

工藤さんは日本を代表するフルーティストとして、現在、フランスのパリエコールノルマル音楽院の教授のほか、水戸室内管弦楽団の首席奏者としても活動しています。

僕も高校生のころからファンで、群響の定期演奏会でも、モーツァルトの1番やイベールのコンチェルトなどを聴きました。工藤さんが講師をしていたNHKの番組も見てましたし、CDも持っています。特に、ギターの福田さんと録音した、ピアソラのタンゴの歴史は、僕の愛聴版の一つです。

さて、娘は、7名の受講者の一人として選ばれ、受講することができました。

7名のうち、4名はモーツァルトの2番の第1楽章を選択していました。これは、工藤さんが教授を務める国内の大学の受験曲なので、当然のことでしょう。

娘は、もちろん、19日のコンクールで演奏するライネッケの3楽章を選びました。

レッスンでは以下のようなことを指摘されました。

①この曲は、表情豊かなことを求められる。後期ロマン派の素晴らしい音楽。フルートはチェロや弦楽器のような表情をつけにくいが、一生懸命やる必要がある。今、聴いていて、表情づけをやっているところが多いが、必ずしもうまくいってないところが多い。

②クレッシェンドの初めが強すぎる。さらに強くしようとしているところがある。気持ちはいっているが、いかんせん最初が強すぎる。フルートという楽器は、最高域はよく聞こえるが、中低音は難しい。特にピアノやオーケストラが入ると低音を聴かせるのが難しい。フルートはリード楽器と違って、高音は聞こえるが中低音が難しい。聞こえづらいということもあって、一生懸命吹くが、フルートだけを聴いていると棒吹きになる。吹きっぱなしだと、表情をつけないとまずいと思う。覚えておいてほしいのは、クレッシェンドが出てきたら、どんな記号であろうと一度、音量を落とすのが基本だということ。逆にディミヌエンドが出てきたらちょっと大きく始める。これがやり方の基本。大事なクレッシェンドだなと思ったら、必ず音を落とすのを忘れない。

③表現を豊かにする。フルートは高音は音が豊かにでるが、ショスタコーヴィチやプロコフィエフのソナタなどとは違って、上の音が出るから音楽的かというとそうでもない。下がでないとバランス的におかしい。

④速い楽章ではあるけど、伸ばしている音をどのように扱うかが問題。生き生きとした音楽的な潤いが必要。クレッシェンドかデクレッシェンドか、同じ音量か?あらかじめ自分で決めておくことが重要。最初の伸ばしをどうするか。何もしなければ、息が減るので、自然にデクレッシェンドしてしまう。投げやりになってしまう。伸ばす音の処理の仕方を研究するように。大体は、維持するためにクレッシェンドの意識が必要。必ず息は減衰する。弦楽器も同じ。ダウンボウではデクレッシェンドするし、アップボウでは、クレッシェンドする。弦楽器は、正しいアップダウンを付けることで音楽的になる。しかし、フルートは、わからないまま吹くと音楽的にはならない。そこを意識するだけで、相当に良くなると思う。

⑤一般的にフルートが上手いというのはいいことだが、むしろ音楽的に聞こえているかいうことの方が大事。この音楽が要求していることに合わせなくてはいけない。自分の趣味や感覚で処理してはいけない。

細かいところの指導内容は割愛しますが、その後も本当に丁寧に指導をいただき、聴いていた僕も大変勉強になりました。

音楽性はもちろんですが、先生のあたたかい人間性が素晴らしくて、娘も感激していました。
僕も、この先生になら子供を預けてもいいな~!と思ってしまいました。


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バルビ

やはり音楽は、それぞれのアーティストの人間性から生まれ出てくるものなのでありましょうか。工藤さんは、私も好きなフルーティストです。

私は全くの下手の横好きでギターを弾いたり、また聴いたりしますが、ピアソラの曲も大好きです。勿論このCDも愛聴盤です。

世界の工藤さんに教わった娘さんは、幸せですね。
by バルビ (2012-12-08 15:36) 

Forte

バルビさんのギター聞いてみたいですね~!!

ピアソラは、他にも聴いていますが、工藤さん+福田さんの演奏が一番
好きですね。

今日は、鶴ヶ島で演奏会です。行ってきます~!
by Forte (2012-12-09 07:25) 

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