ティーレマンが振るマイスタージンガーの映像 [ワーグナー]
ティーレマンが振るマイスタージンガーの映像などと言うと、色めきたってしまうワグネリアンが多いと思いますが、ここでは、ザックスのモノローグだけです。
YoutubuでORFの映像を観ることができます。僕は時々見ているのですが、今日は、ティーレマンがウィーンフィルを振るマイスタージンガーのザックスのモノローグを見ました。音は悪いですし、映像もよくないのですが、さすがティーレマン!とワグネリアンを納得させてくれるできばえです。ザックスを歌うターフェルも味わい深くて見ごたえがあります。
http://jp.youtube.com/watch?v=G83-TR0zUac
ここでも、ティーレマンのしゃくり上げる棒が実に面白い!ウィーンフィルが素晴らしく濃厚な音色で応えています。
バーンスタインのワルキューレ第1幕、すごい! [ワーグナー]
バーンスタインがニューヨークフィルを振ったライブのワーグナーCD、1968年のワルキューレ、1969年のトリスタン第2,3幕の抜粋を早速聴きました。
両者とも素晴らしいできばえです。バーンスタインの解釈は、彼意外には考えられないほど彼の個性がにじみ出ています。ワルキューレ第1幕は、マーラーの交響曲のような自信と確信に満ちた自由なテンポ設定と作曲家ならではの耳の良さがはっきりでています。魔術的な転調に驚かされたり、オーケストレーションの見事さに改めて気が付いたり、やはりバーンスタイン只者ではありませんでした。最後のオーケストラによる後奏部分のすさまじさは筆舌に尽くせないほどです。終了後のブラーボウのすごさは理解できるものです。J.キングのジークムントはベーム盤に負けない素晴らしさです。
また、オーケストラの魅力も特筆すべきでしょう。ニューヨークフィルって基本的に音色がダークで、強いのですが、このワルキューレではその特徴が作品にあっているのでしょうし、バーンスタインの自由な解釈に完全に従っていきます。やはり、バイエルン放送響やウィーンフィルではここまで行けないでしょうね。
トリスタンの第2,3幕は、編曲があまりに素晴らしい!第2幕の前奏曲が終了して、狩のホルンが聞こえてくるとそのまま第2場への間奏曲に上手くつなぎます。また、トリスタンとイゾルデの愛の二重唱がクライマックスに達するとそのまま第2幕のフィナーレ、メロートとの決闘シーンに飛びます。あまりに自然なので、違和感がまったくありません。第3幕も同様です。
トリスタンについては、バイエルン放送響との演奏があまりに素晴らしいので、これは超えられないだろうと思っていましたが、このNYPOとの演奏もまったく引けをとりませんでした。オケの魅力も別のよさがありますね。強靭さと指揮に反応する自在さについてはこちらに軍配を上げたいです。J.トーマスのトリスタンにも魅力があります。
そういえば、第2幕の前奏曲のバスクラリネットは普段聞く音と違った音で音階が吹かれています。ちょっと??です。バーンスタインの指示か、あるいは奏者の間違いか!
恋愛禁制、マイスター組曲のスコア [ワーグナー]
先日話題にした、マイスター組曲と恋愛禁制、そしてジークフリートの葬送行進曲の指揮者用のスコアが届きました。
恋愛禁制は、いいですね~。オケの各パートに無理なパッセージがないですし(ワーグナーは本当に無理なことをさせていることが多いのですが…)、スコア全体がとてもシンプルに書かれていて、これはいける!と思いましたね。オケのメンバーにCDと譜面を貸して、当面の間、広報活動をしたいなと思っています。
さて、マイスター組曲ですが、これは微妙ですね。第3幕の前奏曲はそのままで、その後、ライナーのCD同様に、徒弟の踊りに入っていきます。さらに、マイスタージンガーの登場にシーンに入ります。ライナーのディスクだと、ここからそのままエンディングに持っていってしまいますが、このスコアだと、ザックスの登場と、ザックスを讃える合唱が出てきます。つまり、合唱も使うということです。合唱シーンが終わると、ダルセーニョしますが、最後がどこでFineなのか不明…という変なスコアなのです。後で、よく譜面を見たいとは思いますが、どうも、終曲がわかりにくいですね。
ちなみに恋愛禁制は、ぼくは自分がサントリーホールでライブでも聴いた、若杉/都響の演奏を好んでいますが、シノーポリがドレスデンを振ったものもCDで出ていますね。若杉さんの方がはるかにすばらしいです。全曲では、1983年、ワーグナーの没後100周年の際に、ミュンヘンで行われた上演がオルフェオから出ていましたね。興味のある方はぜひ、お聞きになってください。そうそう同じサヴァリッシュなら、フィラデルフィア管を振ったディスクもありました。
- アーティスト: フィラデルフィア管弦楽団, ワーグナー, サバリッシュ(ボルフガング), リポブシェク(マリャナ), ベーセンドンク, ヘンツェ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1996/09/26
- メディア: CD
ライナーのワーグナー、豪壮! [ワーグナー]
先日、お仲間のあるべりひさんから紹介されたフリッツ・ライナーがシカゴ響を振ったワーグナーのCDを購入しました。今、全部聴き終わりましたが、これはすごいです!圧倒されました。
入っている曲は以下のとおりです。
1 マイスタージンガー/第1幕への前奏曲
2 マイスタージンガー/第3幕への前奏曲-徒弟の踊り-マイスタージンガーの登場
3 神々の黄昏/ジークフリートとブリュンヒルデの別れとラインへの旅
4 神々の黄昏/ジーフクリートの葬送行進曲
5 シュトラウス/ドンファン
まずは、マイスタージンガーですが、冒頭の颯爽とした切れのよい解釈は、ハンガリー指揮者の特徴なのでしょうか、ある意味予想通りでした。対位法の処理、あたかもバルトークの作品かと思われるような明晰さが特徴です。そうした意味では、セルにも似ているのですが、セルにはあまり感じられないライナーの特徴は、曲が進むにつれてどんどん音楽が巨大になっていくところでしょう。その感じは、神々の黄昏ですさまじい効果をあげていました。クナにも負けない巨大なスケール感があると言っても過言ではないかもしれません。本当に、久しぶりに新鮮にこの前奏曲を聞きました。最近は、ティーレマンの演奏にはまっていましたが、伝説的な名指揮者はちょっと違うな~と改めて感じましたね。
さて、期待の3幕ですが、久しぶりに聴いた前奏曲ですでに感動してしまいました~!(笑)
ホルンとファゴットのバランスがよくて実に木質な感じです。いい作品ですね、やはりこの3幕の前奏曲って。
徒弟の踊りも生き生きとしていて、なんだかやはりバルトークのオケコンのフィナーレを聴いているような爽快さ!マイスタージンガーの登場の音楽からすぐに終曲の最後につながれます。これは、もっと聴いていたい!あまりに短すぎます。それが不満といえば不満ですが、演奏としては抜群です。オケの音はやはりアメリカの音ですが、重厚さも十分で濃いワグネリアンにもきっと好かれるであろうと思います。
先ほどにも書きましたが、神々の黄昏の抜粋は大名演だと思います。交響詩ですね、本当に。ここまでくると歌はいらないって感じでした。別れの音楽は実に濃密ですよ。シカゴ響の弦楽器群、いい音しています。いつも思うのですが、アメリカのオケの弦の音は決して悪くないと思います。シルクのような美音を聴くことができますし、ここではライナーの気合をオケが完璧に表現しているように思います。ここでは意外なほどのすごいうねりを聴くことができますよ。さすがは、1910年代(!)にドレスデンシュッターツカペレでワーグナーを得意としていたライナー!(パルジファルのバイロイト以外のヨーロッパ初演はライナーがハンガリーでしたそうです)
ライナーノーツを読んで、彼が神々の黄昏のリハーサル中に倒れて死んだことを知りました。高齢だったため、メトロポリタン歌劇場側は、彼に「軽いオペラを」と依頼したそうですが、ライナーは神々の黄昏を「軽いから!」という理由で選んだのだそうです。本当にワグネリアンだったのですね!
シュトラウスのドンファンは超名演でしょう。ちょっと、この間群響で聴いたトゥルノフスキーの解釈に似ているような気がします。颯爽としたかっこよさがある。この作品、2千人を口説いたという伝説の色男を描いたものなのですから、そうした感じが絶対に必要と思います。
僕がかつて聴いた演奏では、カラヤンが1980年代に来日した際の大阪公演での演奏が抜群でした。
オデュッセウスによるとこれDVDで出るらしいのですぐに購入したいと思いますよ。この演奏、フルトヴェングラー時代からのベルリンフィルの首席コントラバス奏者、ツェッペリッツの信じられないほど大きい手と体による演奏がずっと写っています。コントラバス弾きの人にもお勧めです。
久しぶりにワグネリアンの血が騒いだ今宵でした…
マイスタージンガー組曲って?? [ワーグナー]
今日は、前々から狙っていた、「マイスタージンガー組曲第1番」の指揮者用譜面を予約しました。
そもそもマイスタージンガー組曲第1番って何??っていう方が多いでしょうからご説明したいと思いますが、正直僕にもよくわかりません。
僕がよく利用しているネット上の輸入楽譜店があるのですが、そこで見つけたのがこの譜面。名称の後に、何故か「原典版」と書いてあります。もしかして、ワーグナー自身の編曲?あるいは、弟子による編曲でしょうか。ワーグナーの作品を普及させようと、本人、あるいは弟子が演奏会用の譜面を作成していたことは、周知の事実ですが、それでも、このマイスタージンガー組曲、しかも「第1番」なんて聞いたことがないですよね~!第1番があるってことは、第2番もあるの?って聞きたくなりますが…。
使われている部分は、第3幕への前奏曲-徒弟の踊り-マイスタジンガーの入場-ザックスの演説となっています。いつも第1幕の前奏曲ばかり演奏してきたワグネリアンのアマオケ奏者としては、食指が働く組み合わせでしょう!!あの、ほのぼのとして、雄大でもある第3幕への前奏曲、やってみたいですね~!この組み合わせは、演奏会の中プロとしては優れているのではないでしょうか!
そのほかに、「ジークフリートの死と葬送行進曲」、さらに、「恋愛禁制」序曲の指揮者用総譜を購入しました。葬送の方は、前に購入した「ラインへの旅」のフンパーディンクによる編曲版と同様、2管編成にしたものです。もちろん、Aオケでの演奏を視野に入れたものですよ。恋愛禁制については、濃いワグネリアンであれば、きっと「いい曲だよね!」って言ってくれると思います。若きワーグナーによるはつらつとした隠れた佳作と思います。いつかやってみたいです。
バレンボイムのトリスタン、ベルリン国立歌劇場、横浜公演を聴く! [ワーグナー]
今、横浜を離れたところです。崎陽軒のシューマイ弁当食べてます(笑)。バレンボイムのトリスタンを聴いてきましたよ!11時から並んで、B席の良席をゲットしました。感想はいずれ書きたいと思いますが、まずは第一報です。期待のオケは最高でした。ねっとりとして暗めの音色、そしてなによりも力強さ。さすがですね。会場で落ち会ったオデュッセウスも絶賛でした。イゾルデとして2度目のマイヤー、フランツは本当に声に力があって見事でした。他には、パーペのマルケもふくよかな声で感心しました。そうそう、オケの編成は16型でした。ですからコントラバス隊は8名だったですよ。もちろん爆音だったです。
トリスタン再び~ウィーン、ベルリン、ミュンヘン、三度ベルリンへ [ワーグナー]
多くのワグネリアン同様、僕が強烈なトリスタン狂であることは、僕らのHPhttp://www015.upp.so-net.ne.jp/tantris/をご覧になっている方であればよくご存知かと思います。
ただ、このブログの立ち上げ時期も含むこの2年間は、コントラバスの習得にかなりの時間と労力を割き、正直、聴くためには相当の胆力を必要とするワーグナーになかなか食指が働きませんでした。しかも、この数ヶ月は、シューベルトのグレイトのことで頭が一杯で、危うく、10月16日が締め切りだったバイロイト音楽祭の申し込みを忘れるところでした…(オデュッセウスの一言で思い出し、先日、速達で送りましたよ、ホッ!)
さて、僕のトリスタン観劇歴は、以下のとおりです。
1 ホルライザー/ウィーン国立歌劇場来日公演 トリスタン:ルネ・コロ(降板、涙)(NHKホール)
2 日本ワーグナー協会創立10周年記念公演 リヒター/バイロイト祝祭管メンバー+日本オケ(日生劇場)
3 ティーレマン/ベルリンドイツオペラ/ルネ・コロ(降板、汗)(ベルリンドイツオペラ)
4 アバド/ベルリンフィル来日公演(東京文化会館)
5 メータ/バイエルン国立歌劇場来日公演 コンビチュニー演出!
ワーグナー全作品を制覇している(妖精だけは演奏会形式)僕としても、好きでもっとも劇場に通っているワーグナー作品です。まあ、上演も凹凸はありましたが、一流ぞろいですね。
この中では、ティーレマンの上演がやはりよかったです。ルネ・コロ2度目の降板で、感動が半減してしまいましたが、それでも、ティーレマン指揮のドイツオペラ管の演奏は、確信に満ちており、気合も入っていて、素晴らしかったです。後年、ウィーン国立歌劇場でのライブがドイツグラモフォンからCD化されましたが、解釈は、非常に近いと思います。歌手の魅力がないのが、玉に瑕ですけどね。
さて、6日に横浜で、ベルリン国立歌劇場のトリスタンが上演されますね。前回同様、チケットを持たずに行ってみたいと思います。前回のジークフリートの際には、キャンセル待ちで最前列の良席がとれました。このときには、自分のために弾いてくれているような位置で聴いたオケのあまりの素晴らしさに圧倒され、大感激したものです。2匹目のどじょうが手に入るか~?!
バレンボイムに対しては、ちょっと微妙な思い出があります。以前、バイロイトでポネルの名演出の際に振っていたのが彼なのですが、年末の放送を聞いて、フルトヴェングラーを意識しているのでしょうが、よく言えば、即興的(ピアノ演奏的)、正直に言うと、理念のない雑な演奏に聴こえてしまいがっかりしてしてしまったことが彼の指揮に初めて触れた印象だったからです。それでも、その後、20年近く前にサントリーホールで、ベートーヴェンのソナタ全曲演奏会をやった際には、L席でかぶりつきで聴きました。いや~、すごかったですよこれは。オケを聴いているような迫力でした。熱情なんか、本当にすさまじかったですよ。最後は、彼は立って弾いていました、記憶に新しいです。その後、2度のベルリン国立歌劇場との公演も好印象で聴きましたし、昨年は、現地であまりにドイツ的なカルメンも見ました。いいかと思うと、東京文化会館で聴いたシカゴ響とのコンサートは何のひらめきも理念のない最低のできでした…。
という感じで、指揮者としてのバレンボイムには、微妙な思いがあるのですが、それでも、今回のトリスタンには大変な期待をしています。というのは、ベルリンで聴いたカルメンでも感じましたが、現在ドイツ系世界一とも評されるこのオケの音色が本当にトリスタンに合っているように思うからです。アンサンブルは重厚で、粘っこい!しかも、ソロになれば、フランス系の奏者も交えて、最高のクオリティで聴かせる! まあ、近年のバレンボイムの解釈も結構ドロドロ系なので、トリスタンには向いているのではないでしょうか。
今日、通勤の車の中で、トリスタンの抜粋集を聴きました!(往復2時間弱) この作品を聴くのは、本当に久しぶりです。やっぱり名作ですね~!圧倒的ですよ。聴いたのは、ワーグナー指揮のインスブルク響のCDです。このCD、ふらっと立ち寄ったレコード屋で300円で買いました。店のオヤジに「これしか買わないの!」なんていやみを言われながら(笑)。でも、意外にいいのですよ!オケも非力ですし、指揮も歌手も飛びぬけてよいという感じではないのですが、聴いているうちに演奏のことよりも、作品の素晴らしさがジワジワを迫ってくるような気がするのです。カラヤンやクライバーなどの超一流の演奏に目が向いている方からは、評価されないでしょうが、オーストリアやドイツの地方都市のオペラハウスに興味がある方は、チェックかもしれませんよ。まあ、食事で言えば、B級グルメかもしれませんけどね!
トリスタンを聴いて、久しぶりに「熱く」なりました。車の中ですけどね(笑)。6日は大型スコアを片手に出かけますよ~!(待ち時間に読む)
今年、ベーレンスを聴く! [ワーグナー]
今年の夏、なんと、あのベーレンスを聴く機会がありそうです。
毎年群馬県の草津温泉で開催されている、草津音楽アカデミー&フェスティバルの講師でなんとあのヒルデガルト・ベーレンスが講師で来日するのです。
僕にとって、ベーレンスは特別な歌手です。擦り切れるほど聴いた、バーンスタインが指揮したワーグナーのトリスタンとイゾルデでヒロインを担当していたからです。ベーム盤などで評判の高かったニルソンや、バーンスタイン盤と同じ頃に録音、発売されたクライバー盤のプライスなどに比べて、表情の多彩さにおいて遥かに優れていると思いました。
その彼女が草津にやってくると知りました。しかも、8月21日にリサイタルを開催します。曲は、
○シューマン/女の愛と生涯
○シェーンベルク/月に憑かれたピエロ 他となっています。
当日は、火曜日で平日ですが、なんとしても聴きに行こうと思っています。
なつかしい!ヤノフスキーの剛直なリング [ワーグナー]
昨日、仕事の帰り際にCDを3枚買ってきました。
1 ワーグナー/リング抜粋 ヤノフスキー/シュッターツカペレ・ドレスデン
2 シューベルト/八重奏曲 ベルリンフィルメンバー
3 コントラバス名演集 クラウス・トゥルンプ
どうですか~、ちょっと変った組み合わせですが、これが今の僕の志向ですね。
気が付いた人は、すごいと思いますが、すべてベルリン、ドレスデンに関連した演奏者であることがミソですよ。すべてが硬質な演奏です。
シューベルトは、本当はウィーンフィルのメンバーによるものが欲しかったのですが、ライスターやシュトール(Cb)をはじめとしたベルリンフィルのものしかありませんでしたのでこれを購入しました。もちろん、来年の室内楽演奏会対応のためです。
この作品、草津アカデミー&フェスティバルの演奏会でシュミードルのクラリネットで聴いていて、本当にシューベルトらしいロマン性を感じる作品だな~と思ったのですが、それ以上に感じたのが、「長い~!」ということです。このCDでも65分近い演奏時間になっています…。グレイト!!
トゥルンプのCDは、僕がコントラバスをはじめたいと相談した元群響の先生からいただいたCDで、初めて聴いたコントラバスのソロCDでした。オケのコントラバスに惹かれてはじめたコントラバスでしたが、ソロでもこんなに素敵な演奏ができるのだな~と本当に魅惑されました。東ドイツの弦の音です。
ヤノフスキーのリングは、同じ抜粋のLPが以前、家にあって聴いていた演奏ですが、つい、買ってしまいました。久しぶりに聴いてみて、オケと指揮の無骨さに驚きましたね。これぞドレスデンという感じです。歌手もシュライヤーのローゲ、アダムのヴォータン、コロのジークフリートなど豪華キャストです。ただ、聴いてみて感じたのですが、ルカ教会での録音には無理があるのではないでしょうか。120名を超えるであろう超大編成のオケのfffは教会の中では響きすぎると思います。録音には相当に無理をしているような気がします。オケはものすごい残響なのに、歌手の歌にはまったく残響がないのです。まあ、あれだけの演奏ですから、文句は言わないことにしましょう。
- アーティスト: ヤノフスキ(マレク), ドレスデン・シュターツカペレ, アダム(テーオ), シュトリツェク(カール=ハインツ), ビュヒナー(エバーハルト), シュライヤー(ペーター), ミントン(イボンヌ), ポップ(ルチア), プリウ(ウタ), シュヴァルツ(ハンナ)
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2002/06/21
- メディア: CD
ワルキューレ→プルート→アシモフ [ワーグナー]
いや~、連休はやっぱりいいですね~。今年は、カレンダーどおりに休むことができました。僕の場合、あまりにやることが多くて、これでも時間が足りない感じですが、それでも、普段なかなか時間的余裕がなくて、聴くことのできなかったリングの後半を聴き始めたのは、このブログでも書いているとおりです。
昨日は、ジークフリート第2幕を聴こうかなと思ったところ、何故かワルキューレ第3幕に行きました(笑)。
この幕は、すでに何度も聴いているのですが、「ヴォータンの別れと魔の炎の音楽」を聴きたくて、騎行から全部聴いてしまいました。ここでは感想は書きませんが、やっぱりよかったです。
その後、浦沢直樹の「プルート」4巻を買ってきて読みました。この作品、好きでずっと追っかけている作品ですが、基本は、手塚治虫のアトムの中の最高傑作とも言われている「史上最大のロボット」のリメイク版です。
実は、この手塚治虫の作品が本当に素晴らしいのです。あの時代に、すでに実に現代的な問題提起を様々に行っていることがわかります。テーマも構成も本当に見事です。
こうした素晴らしい題材に浦沢はさらに特徴的な脚色を加えます。一つにはイラク戦争。もう一つは、アシモフが書いた「ロボット三原則」を加えて、サスペンス仕立てにしていることです。その結果、主人公をアトムから、ドイツのロボット刑事、ゲジヒトに変更されています。どこかのHPで、映画になったアイ・ロボットの内容はプルートに似ていると書かれていましたが、それは間違いです、まったくの逆ですね。
いずれにしても、テーマに深みがあって、絵も素晴らしい。本当に、日本のマンガって世界に誇れるものだとワクワクしながら読んでいます。
ちなみに、このアトムのマンガを僕はドイツ語版で持っています(!)。アトムが、Wer bist du ? Was willst du machen? なんて言っているのが結構楽しいです。ちなみに、語学の学習にマンガって結構いいと思っています。
お薦めです。
その後、レンタルビデオ屋さんに行って、「アイ・ロボット」と「ミクロの決死圏」を借りてきて、早速見ちゃいました。もちろん、両方ともアシモフが原作です。アイロボットは、三原則の適用以外は、ほとんどアシモフの「われはロボット」とは関係のないストーリーですけどね!アシモフの原作の方が、ぜんぜん、知的です。