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エラリー・クイーン「オランダ靴の謎」に喝采! [読書]

先週あたりから、久しぶりにエラリークイーンの推理小説を読んでいました。
今日、読み終わり、大満足のできでした。

読んだのは、「オランダ靴の謎」です。

ご存知の方も多いと思いますが、エラリー・クイーンの小説は大きく、2つの流れがあります。

一つは、今回の小説も含まれる、国名シリーズ。作家と同名の名探偵エラリークイーンが主人公のシリーズです。

探偵エラリー・クイーンが初登場するローマ帽子の謎に始まり、人気の高いエジプト十字架の謎など、国名が付けられているのが特徴です。僕は、昨年、中学生以来でしょうか、「エジプト十字架の謎」を久しぶりに読み直し、血沸き肉踊る感動を受けました。また、ポアロ物やホームズなどとは異なる、作家の精緻な筆運びに感嘆させられましたね。

二つ目は、推理小説界の金字塔とも言われる、ドルリーレーン4部作です。

Yの悲劇、Xの悲劇、Zの悲劇、みなさんも知っていますよね!
毎年出版される推理小説ベスト100とかで、Yの悲劇は、いつも1位か2位に入っていますよね。

この4部作はどれも最高の傑作で、僕は10年おきくらいに何度も読んでいます。本当にすごいです。読んだことのない人は絶対に読むべきですよ。

日本ではYですが、欧米では、むしろXの評価が高いのだそうです。
ちなみに、こちらは、エラリークイーンではなく、バーナビー・ロス名義で書かれています。

さて、今回のオランダですが、奇っ怪な雰囲気を漂わせる「エジプト」やレーンシリーズなどに比較して、地味なストーリ展開ではありますが、読んでいて、「さすがエラリークイーン!!」「これぞ推理小説」と拍手喝采をおくりたくなる素晴らしい出来栄えでしたね。

無駄がなく、知的なストーリー展開は、クイーンの真骨頂でしょうが、この「オランダ」は素のストーリーが地味なだけに、むしろ論理展開の魅力が素晴らしく、本当に感銘を受けました。

読んでいて嬉しくなる推理小説、久しぶりに喝采ですね!いい本です。


オランダ靴の謎【新版】 (創元推理文庫)

オランダ靴の謎【新版】 (創元推理文庫)

  • 作者: エラリー・クイーン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/06/25
  • メディア: 文庫



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魔の山~Der Zauberberg 第2巻を読み終わる [読書]

昨日、魔の山第2巻を読み終わりました。

やはり、素晴らしい作品でした。

詳しい感想は、また、後日、書きたいと思いますが、第2巻では、一気にスピード感が上がり、トーマスマンのロマン的「時間性」の扱いに舌を巻きました。

実は、このロマン的時間性は、僕の修士論文のテーマなのですが、魔の山を読むまで、僕は、マンの手法は知りませんでした。

マンの故郷、リューベックに行って以来、読みたいと思っていた「魔の山」、読んで良かった。主人公ハンス・カストルプの7年間の療養生活を描くストーリーを1年以上かけてじっくり読みました。

第一次世界大戦に出征するため、療養所をあとにするカストルプに対して、師匠でもあるイタリア人のセテムブリーニが日頃の「エンジニア」という呼びかけから、duで呼びかけるシーンが大変心に響きました…

重厚な作品ですが、心のひだのようなものも丹念に描かれています。

魔の山 下 (新潮文庫 マ 1-3)

魔の山 下 (新潮文庫 マ 1-3)

  • 作者: トーマス・マン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1969/03/25
  • メディア: 文庫



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魔の山~Der Zauberberg 第1巻を読み終わる [読書]

だいぶ前に読み始めた、トーマスマンの魔の山の第1巻を読み終わりました。

どちらかというと速読の僕としては、異例の時間がかかりました。
途中で長い中断があったからなのですが、今回は、意識的にじっくり文章を味わいながら読むということに気を使ったこともあると思います。

なかなか物語が動かず、ゆっくりと進んでいたのですが、後半になって、急展開して驚きました。
重厚なイメージはあるのですが、意外に読みやすい文章ではあります。

後半を読み始めますが、さて、いつ読み終わるでしょうか?!



魔の山 (上巻) (新潮文庫)

魔の山 (上巻) (新潮文庫)

  • 作者: トーマス・マン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1969/02/25
  • メディア: 文庫



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プラトンのメノンを読みました! [読書]

今、プラトンにはまっています。



2月20日に光文社から新訳の出た、「メノン」。久しぶりにプラトンを読みました
が、楽しいですね。

メノンは、これまでにも藤沢令夫さんの訳したものを読んでいましたが、今回、渡辺
邦夫さんという茨城大学の先生が新たに訳したものです。

訳の違いまではチェックいませんが、読み物として、とても読みやすく、哲学を勉強
していない人でも楽しめると思いました。



特に、この光文社シリーズ、前にも出ていたプロタゴラスでも同じですが、最初に物
語の背景や人物像が簡潔に説明される「まえがき」、物語が終わった後には、詳細な
「解説」が付いており、とてもわかりやすい。僕は、ソクラテスの相手を務めるメノ
ンなる人物がどのような人物か知らずに読んでいましたが、今回、その辺もしっか
り、頭に入れたうえで読むことができ、ストーリーが一気に膨らみを持って迫ってき
ました。内容については、割愛しますが、プラトンを読んだことがない方は、ぜひ、
触れてほしいですね。現代の目からして、やや詭弁に聞こえることもあるものの、や
はりソクラテスのすごいこと。



以下は、光文社のHP http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334752446での
紹介です。



メノン 徳(アレテー)について プラトン/著 渡辺邦夫/訳

「徳(アレテー)は教えられるものでしょうか?」メノンの問いに対し、ソクラテス
は「徳とは何か?」と切り返す。そして「徳」を定義する試みから知識と信念、魂、
善をめぐって議論は進む。西洋哲学の豊かな内容をかたちづくる重要な問いがここで
生まれた、初期対話篇の傑作。



説明: メノン
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