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思い出の交響曲の大名演、群響のベルリオーズ [群馬交響楽団]

昨晩は、群馬交響楽団の第480回の定期演奏会でした。
出演者と演奏された作品は、以下のとおり。(群響HPから)

指揮:ニコラス・ミルトン
ソプラノ:中嶋 彰子
Conductor:Nicholas Milton
Soprano:Akiko Nakajimaボロディン/ 歌劇《イーゴリ公》より 〈だったんじんの踊り〉
ラヴェル/《シェエラザード》
ベルリオーズ/ 幻想交響曲 作品14
Aleksandr Borodin/ ”Prince Igo r”Polovtsian Dances
Maurice Ravel/”Scheherazade”
Hector Berlioz/ Symphonie fantastique, Op.14
〈だったんじんの踊り〉は中央アジアのメロディーを取り入れた異国風の大人気作。そしてラヴェルの〈シェヘラザード〉は、20世紀初頭のヨーロッパ人が空想した、神秘とおとぎの国アジアを歌ったオケ伴つき大規模歌曲。〈幻想交響曲〉は、ベートーヴェンの死後まだ3年の時点でパリに出現した驚天動地のオーケストレーションによる当時の前衛音楽。オーストラリア出身のヴァイオリニストで指揮者、ミルトンの棒さばきに期待。

今回の演奏会は、最高でした!! 特にラヴェルのシェエラザードと幻想交響曲の作品の素晴らしさに圧倒された演奏会でした。僕にとって演奏の評価とは、究極的には作品の素晴らしさが伝わるかどうかだけにかかっています。そうした意味では、今回の演奏会では、「なんて素晴らしい作品なんだ!」と心の底から感銘を受けました。

ラヴェルのシェエラザードは、生演奏では初めて聴きました。なんとも素敵な作品ですね。ラヴェルの天才に圧倒されました。歌の中嶋さんの素晴らしさは筆舌に尽くしがたく、フランス語の訳文を読みながら聴いていたら、幻想的な詩も含めて、本当にうっとりさせられました。特に、1曲目のアジアの妖艶な雰囲気とトゥッティの壮麗さ、また、2,3楽章のフルートとの音色の競演の素晴らしさ!

演奏会終了後に、ソリストの中嶋さんのトーク会がありました。彼女によれば、フルートの合わせの部分は、3割は歌に、7割はフルートとのアンサンブルに頭を使っているとのことでした。そして、ソロを吹いた中條さんについて、素晴らしいフルーティストとお話されていました。。(中條さん最高です★★★★★。ピッコロ、クラリネットほかの管楽器ソロも見事)

ベルリオーズですが、CDで発売されている、フルネ指揮群響の演奏を聴いているので、これ以上の演奏はないだろうとたかをくくって出かけたのですが、演奏が始まってびっくり仰天。これが素晴らしかった!!!

指揮のミルトンさんですが、とてもドラマティックな音楽をつくりますね。テンポの緩急が大きく、表情も多彩です。指示も丁寧で、アンサンブルも堅固でした。外面的という意見もあるかもしれませんが、僕はワクワクしながら魅了されました。見事です。

ゆったり始まった序奏は、群響の弦楽器の粘りのあるカンタービレが本当に素敵。会場を一気に演奏に引き込みました。その後、テーマが美しく流れ出すと、音楽は精気を帯びて、生き物のように快活に動き始めます。普段は嫌いな提示部繰り返しも、この作品では初めての体験で、しかも、演奏が素晴らしいので、嬉しくなりました。

その後、品のよい第2楽章、寂しげな第3楽章を経て、第4楽章では、断頭台の恐ろしさと祝祭のような華々しさがこれまた見事に描かれている!テンポの設定が実に巧妙で、設計図がきめ細かに描かれているのが、よくわかる。金管楽器のパート全体としてのバランスも最高で、しかも、個々がうまい!! 荒っぽくなく、しかも、力強くもある。

最終楽章のヴァルプルギスの狂宴は、凄まじくリアルに描かれました。これほど純音楽的でありながら、標題音楽としての面白さも知らせてくれる演奏は、過去に知りません。途中から現れる怒りの日や鐘の音色が、死の審判をこれほど想像させてくれるとは思ってもみませんでした。コーダに向けてのアッチェルランドや最後の音の延長はやや外面的な感じがありましたが、もともとエンターテインメントの音楽ですから、この位は別に問題ないでしょう。

満員のお客さんも盛り上がりましたね。僕としては、初めて群響の定期演奏会を聴いたのは、今から32年前、第200回定期での、この幻想交響曲でした(指揮は当時の監督の遠山信二さん。)。当時は、同じ音楽センターでしたが、会場はガラガラ、多分、4,5百人しか入っていなかったのではないでしょうか。でも、演奏は素晴らしかった! 少なくとも、オケの演奏会の経験があまりなかった、当時の僕にとっては本当に素晴らしい演奏でした。この演奏を聴いて、群響ファンになり、それ以降、数百回の演奏を聴いてきました。以降、幻想交響曲も何度も聴いていますね。印象に残っているのは、前橋での高関さんの指揮、そして、高崎でのフルネさんの指揮です。

実は、ベルリオーズには特段の思い入れはないのですが、そうした意味では、僕にとって、群響と僕をつなぐ思い出の作品でもあるのです。今回の演奏は、僕にとっての新生群響の1ページを拓くような演奏会になったような気がします。

中條さんの弟子でもある娘も同様に感激していて、急きょ、二人で20日に開催される東京公演にも聴きに出かけることにしました。

東京方面の方で、群響に興味をもたれた方がいれば、ぜひ、聴いてみてください。損はしないと思います。妖艶なラヴェル、ドラマティックな幻想もどちらもすばらしいですよ!!!

演奏会のご案内は以下の群響HPまで。
http://gunkyo.com/concert/other/%e7%be%a4%e9%9f%bf-%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e5%85%ac%e6%bc%94%ef%bc%882011%ef%bc%892012%e5%b9%b43%e6%9c%8820%e6%97%a5%ef%bc%bb%e7%81%ab%e3%83%bb%e7%a5%9d%ef%bc%bd

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桐生のマーラーとラーメン [群馬交響楽団]

先ほど、群馬交響楽団の東毛定期が終了しました。

相変わらずの名演で、柔らかい響きのマーラー3番を堪能しました。

写真は昼に食べた唐揚げラーメン。桐生は美味しいお店が多いですが、適当に入った店のラーメンでしたが、さすが桐生メチャクチャ旨かったです。
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時よ止まれ!圧倒的に素晴らしい沼尻群響によるマーラー3番!! [群馬交響楽団]

沼尻、群響のマーラー3番、期待通りよかったですね。いい音楽を聴いた〜と満足感一杯です。

曲の最後が近づいてきても「終わらないで!」と願ってしまうほど本当に音楽的な美演でした。

Verweile doch ! Du bist so schoen !
時よとまれ、お前は美しい!

こう叫んだファウストの気分でしたよ。
マーラーの3番の魅力が全開でした。なんといっても、沼尻マエストロの指揮が素晴らしい!歌い回し、バランス、完璧ですね。旋律がしなやかに歌われて、本当にみずみずしい!

オケの性能も抜群で、楽しみにしていたトロンボーン、トランペット、ポストホルンなどの各ソロも見事。トゥッティの音の重量感も十分で、しかも透明感もある。

また、アルトソロも深々としていて、感銘を受けました。東京音大の合唱団はやはりレベルが高いですね。さすがでした。少年少女合唱も素敵でした!全体の中にきちんとはまっていました。

沼尻群響によって、すべて楽章が描き分けられていて、それぞれの魅力が引き出されていましたが、中でもなんといってもよかったのは、やはり、第6楽章ですね。最初の部分で早くも感動してしましました。

バーンスタインが思い入れたっぷりに振っていた情熱的な部分などは、意外なほど淡々としていましたが、素晴らしい両コンマスを始めとしたヴァイオリンの音色がとても美しく、とても魅力的でした。

もちろん最後も極上のバランスの中で、マーラーの讃歌を高らかに明るく歌い上げてくれました。

今晩の演奏は、僕がこれまでに聴いた2度の生演奏を完全に凌駕していたと思います。

明日も桐生で聴きます。熱い聴衆に囲まれた高崎に対して、響きのよいホールに恵まれた桐生でのマーラー、楽しみにしています。

マーラーファンは、明日、当日券でぜひ聴くべき!!絶対にお薦めです。
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群響のマーラー3番、今晩! [群馬交響楽団]

今日、群馬交響楽団の定期演奏会で、マーラーの交響曲第3番が演奏されます。指揮は、常任指揮者の沼尻さん。

以前、沼尻さんの指揮で聴いた9番が大名演だったので、今日も大変、期待しています。

個人的には、3番は、10年以上前に、新日本フィルを佐渡裕さんが振ったもの、また、数年前に高関さんが振った群響の演奏もなかなか感動的な演奏でしたので、今回もたのしみです。

第1楽章のトロンボーン、第3楽章のホストホルン(森重さん!)、そして、4、5楽章の人声、さらには6楽章の弦楽器による歌、聞き所満載で、楽しみです!


http://gunkyo.com/concert/teiki/20120128-%E5%9C%9F%E3%80%90478%E5%9B%9E%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E6%BC%94%E5%A5%8F%E4%BC%9A%E3%80%91
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大野/群響のブラームス4番、名演! [群馬交響楽団]

昨晩は、群響の第474回定期演奏会でした。
会場は、いつもの高崎の音楽センターではなく、前橋の県民会館( ベイシア文化ホール)でした。

指揮はヨーロッパの一流オペラハウスで大活躍の大野和士、 ヴァイオリン独奏は以前、素晴らしいチャイコの協奏曲を聴かせてくれた渡辺 玲子。

曲も大変変わっていて、以下のとおり。
西村朗/ 「桜人」~オーケストラのための~
ブリテン/ ヴァイオリン協奏曲 作品15
ブラームス/ 交響曲 第4番 ホ短調 作品98

群響のホームページでは、次のように紹介されていました。

2010年秋、文化功労者にも選ばれた日本のホープ、大野和士(現フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者)の群響定期再登場。ソリストは日本を代表する国際ヴァイオリニスト、渡辺玲子という豪華な一晩。ブリテンは近年、実演や録音が急増している曲で(1940初演)、ベルクやショスタコーヴィチ作との内的な関連も指摘されている。そして西村朗作品は07年10月以来の群響定期再登場。ブラームスの第4番は、彼の最後の交響曲で最高傑作とされるもの。  (群響ホームページから)

さて、実は、楽しみにしていたのは、西村朗の桜人でした。先日、NHK で放送された西村作品を聴いて、現代音楽というイメージとはちょっと異なる響きの美しさや親しみやすさを感じました。山形や京都で演奏され、なかなか好評な感想をネットで読んでいたので、桜人ちょっと期待していました。聴いてみてラベルのダフニスを彷彿とするようなきらびやかな色彩感のある綺麗な曲と思いました。
先日、ベルリンで佐渡裕が降った武満作品も美しい作品でしたが、それに勝るとも劣らない魅力がありましたよ。多彩な響きの中に時おり、知っているメロディが漂っていたりする。特に、最後の部分でチェロが誰でも知っているさくらのメロディが変容した形で提示されるのは、音楽作品として、聴衆に楽しみを与えてくれているし、媚びている感じもなく、素直に「いいな!」と思わせてくれました。
演奏後は、お約束のように西村さんが舞台に登場し大きな拍手を浴びていました。大変、ご満足の雰囲気でしたが、どうだったのでしょうか?会場が響くホールだったらきっともっと良かったのになと残念でしたが。

中プロのブリテンについては、あまり積極的な感想はありませんね。作品はなかなか面白いなとはおもいましたが、同時代の名作、例えば、バルトークやショスタコに比較するとやはり魅力の面では落ちるような気します。ソリストの渡辺さんは、響きのない、巨大なホールに苦心しながらもさすがの音楽を構築されていたと思います。

さて、メインプログラムのブラームスですが、これは絶品と思いました。大野さんはほんとうに大指揮者の風格。カルロスクライバーの指揮を彷彿とする見事な流線型のブラームスでした。

基本的には、テンポが早めで颯爽としているのですが、旋律線は、R.シュトラウスの楽劇のような濃厚な弧を描き、そこに楔を打ち込んでいく縦線がとても立体的で、構造面、感情面ともに満足できる、名演奏でした。オケについては、弦楽器はとにかく素晴らしかったです。極悪な会場にシルクのようななめらかなサウンドが響いていましたよ。

管楽器はややバラツキも感じましたが、フルートの中條さんのソロは出色でした。ブラームスのこの作品は、何度も聴いていますが、昨晩の中條さんのソロは過去最高の演奏だったと思います。第4楽章のソロを聴いていて、身震いしましたよ。見事でした!

今回の演奏会は自分としては、今シーズンのプログラムのなかでは、実はノーマークでしたが、この素晴らしいブラームスを聴くことができて本当に驚きでした。今日は、太田市で同じプログラムで演奏されますので、こちらも聴きにでかけようかな、と今、思案しています。


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ショスタコービッチのレニングラード [群馬交響楽団]

昨晩は、僕にとっては、今シーズン初めての群響定期を聴きました。

曲は、ショスタコービッチの交響曲第7番レニングラードとグラズノフのアルトサックス協奏曲でした。

ショスタコービッチの作品は、ナマで聴くのは20年近く前でしょうか、サントリーホールと高崎音楽センターで連続して群響が演奏したのを聴いて以来ですね。

あのときは、ロシアの大指揮者のキタエンコが群響を振って、当日としては大変な名演でしたので、オケの性能が格段に向上した今回はさらなる名演を期待してワクワクしながら会場に出かけました。
僕にとっては、ショスタコービッチは、クラシック音楽を聞き始めた最初期に出会い衝撃を受け、一時期はのめり込んだ作曲家です。もちろん、その作品は、ご多分に漏れず第5番でしたが(バーンスタインの旧盤)、すぐに7番レニングラードのLPを買いました。群響にも指揮に来たスヴェトラーノフの指揮ソビエト国立管弦楽団でした。

簡潔に書かれた5番に比較して、7番は、あまりにスケールが巨大で、また、背後に流れるテーマがあまりに重いこともあって、5番のようには親しめませんでしたが、作品の鬼気迫る凄まじさは大変印象に残りました。

当時は、折しもヴォルコフの「ショスタコービッチの証言」という問題作が発表され、僕は、すぐに日本語訳を入手して、読みました。この作品についても、従来言われていた「ナチスドイツとの戦い」という観点だけでなく、「スターリンとの戦い」であるという爆弾発言が記述されていて、僕らにとっても、大変な衝撃だったですが、昨晩の演奏を聴いていると、いずれにしても、人間性に対する破壊と抵抗の音楽であることは、間違いのないところです。

演奏会前に解説をしてくれた渡辺和彦さんは、このレニングラード交響曲を標題音楽と言ってましたが、僕らの研究分野的に言えば、やはり、優れて、表象の臨界に到達した作品であると言えると思いました。

それほど、強く聴衆の心を掴み、引きづりまわし、そして、最後には、何とも言えない、複雑な印象とカタルシスを感じさせてくれる作品と思いました。

特に、フィナーレの最後には、作品の冒頭に演奏された人間の主題と呼ばれる、実に不思議な雰囲気を持つ、骨太のテーマが、回帰し、戦争が勝利に終わるかのごとく、圧倒的なカタルシスを感じさせてくれますが、作品は、ブルックナーの同じ7番のようにそのまま光輝く勝利の音楽として終わるのではなく、最後は、敵襲を報せるような非常サイレンが運命のテーマとして鳴り響く中で、音楽は強烈に閉じられるのです。これは、勝利の音楽では決してないというのが、正直な印象です。ヴォルコフの「証言」は偽書であることが、決定的となったそうですが、彼の音楽は、一筋縄ではいかないという点を世界に知らしめた意味はあったと思います。

仮面の音楽、多重人格の音楽。あの時代を生きた芸術家の苦悩としたたかさが感じられます。そうした意味では、マーラーに似ている思いますが、時代に翻弄されながらも、最後まで、自らの信念を曲げない芸術家という側面も見えてきます。そうした意味では、もしかすると、ベートーヴェンにも近い生きざまであったような気さえします。やはり大作曲家ですね。

さて、演奏ですが、いつも書いていますが、こうした素晴らしい作品のあるべき姿をライブでしっかりとした演奏で聴かせてくれる沼尻指揮の群響に本当に感謝の気持ちで一杯です。

バンダを含めた超大編成オケによる圧倒的な音響はもちろん、すごいのですが、それ以上に叙情的な弦楽器群の美しさに惹かれましたし、低音管楽器群のアンサンブルはタコ独特のほの暗さを醸し出していて、最高でした。

沼尻さんの指揮は、的確にして、無理のない品のよい解釈と思いました。前のマーラー同様、大変、好印象ですね。

演奏会終了後、当地レニングラード出身のチェロ首席奏者のグルチンさんと沼尻さんのトークを聞きました。写真はその様子です!
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群響の若手カルテット見事! [群馬交響楽団]

火曜日、群響の20歳代の若手コンマスの水谷さんやヴィオラの加藤さんを中心とするカルテットの演奏会が開かれました。

水谷さんは、桐朋音大を首席で卒業後、世界最高峰と言われる、ミュンヘン国際音楽コンクールのカルテット部門で3位に入賞後、25歳で群響のコンサートマスターに就任された方です。

水谷さんが就任後、オケの音が一変してしまうほど素晴らしい音色とアンサンブルの両方が楽しめる今回のカルテットの演奏会、楽しみに出かけました。

曲は、モーツァルト、ボロディン、メンデルスゾーン。多彩な演目ですが、ボロディンのロシアの歌は楽しかったですし、また、とくにメンデルスゾーンは難曲で、高度なアンサンブルを楽しみました。

演奏は、これは本当に素晴らしかったです。水谷さんの素晴らしくニュアンンス豊かなヴァイオリンに他の楽器が見事に絡んでくるところは、カルテットの醍醐味を感じさせてくれました。これは、メンバーのレベルが相当に高くないとできない演奏でしたよ。群響の若手奏者のレベルの高さを再認識しました。

大満足の演奏会でした! 水谷さんは、群響をバックにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を弾くそうです。これは絶対に聴き逃せないですよ。
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優しさと歓喜に満ちたブラームス2番 [群馬交響楽団]

個人的な話からで申し訳ありませんが、3月11日以来、福島県の被災者、特に医療が必要な方の支援と救援のためのプロジェクトに関わっており、徹夜もはさんで、3週にわたり休日返上で働いてきました。プロジェクトがひと段落したことから、今日は、あの地震以来、初めて、休日を採ることができました。

そんなこともあって、体はバテバテだったのですが、心に元気をもらおうと、群馬交響楽団の定期演奏会にでかけました。実は、家族で26日の東京公演を聴きに出かける予定だったのですが、それをキャンセルして、今晩の高崎の演奏会にでかけました。

群馬交響楽団も何度かの演奏会がキャンセルとなり、昨晩の東京公演も、地方オケフェスティバルが中止となったことから、自主公演として実施したのだそうです。指揮者も、予定されていたドイツ人の指揮者がキャンセルとなり、首席指揮者の沼尻さんが代役を引き受けました。

演奏会前に団員が東北地方への募金活動を行い、演奏会の冒頭には、バッハのアリアと犠牲者への黙祷をささげてから、厳粛な雰囲気で演奏会が始まりました。

神秘的なドビュッシーの牧神の午後への前奏曲に始まり、優美さと力づよさを併せ持つベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、そして、包み込むような優しさと爆発するような歓喜に満ちたブラームスの交響曲第2番が演奏されました。

今回はいちいち感想を書くことは控えたいと思います。ピアノを弾いた小菅優さんの音楽する喜びに満ちた演奏、そして、ブラームスの演奏では、楽団員が一丸となって、高らかに謳いあげる凱歌によって、聴いている僕らは勇気づけられ、そして、癒されました。やはり、音楽の力の凄さを感じさせてくれた今晩でした。

群響の常務理事の方のアナウンスでは、群馬県内に避難している福島の方を招いた演奏会も企画しているとのことでした。彼らを襲った悲劇と衝撃は、僕らには想像も付かないものだと思います。まだまだ、ゆっくり音楽を聴いている余裕もないかもしれません。でも、もしかすると、音楽を聴いて、癒されたり、勇気づけられたりする人もいると思います。ぜひ、群馬交響楽団にはこの取組みをお願いしたいと思います。

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沼尻/群響のマーラー9、至高の演奏! [群馬交響楽団]

今日の群響定期は、現在の群響のシェフ(首指揮者、芸術アドバイザー)の沼尻竜典氏が振った、マーラーの交響曲第9番でした。

多くの群響のプレーヤーの方々から、「今回のマーラーはいいよ!」と言われていたこともあって、本当に楽しみに出かけましたが、久々に深い感動を味わうことのできた演奏会となりました。

マーラーの第9交響曲は、個人的に思い入れが強い作品です。実は、若い頃、この作品に熱中しました。そのクライマックスは、1980年代、NHKホールでバーンスタインがイスラエルフィル振った演奏会を聞いたことです。この日は、今でも思い出すほど、すさまじい演奏会でした。イスラエルの副首相が聴きに来ていたこともあり(僕らの席のまん前!)、会場の周りを機動隊がとり囲み、会場で花束を持つ観客は、ことごとくSPが爆弾がないかをチェックされるようなものものしい雰囲気の中、行われた演奏のすさまじかったこと!これは筆舌に尽くしがたい壮絶な演奏となりました。

当時、円熟の極みにあったバーンスタインの粘っこくて、ダイナミックな指揮ぶりと、イスラエルフィル独特の濃厚な音色があいまって、観客は振り回され、そして、最後には全員が陶酔していくことが分かるような一体化のある演奏会でした。強烈な演奏が終わった後、永遠に続くかと思われるような深い静寂に会場全体が包まれたのが、今でも印象に残っています。朝日新聞で、吉田秀和さんが、この日のバーンスタインの指揮を司祭者と表現していました。バーンスタイン自身も、この日(9月8日でした)の演奏は、これまで彼が指揮したどのマーラーの演奏よりも素晴らしかったとインタビューで答えていました。

さて、今晩の演奏会ですが、正直、このときのバーンスタインの演奏と比べることができるほどの素晴らしい演奏と思いました。沼尻さんの指揮は、バーンスタインのような粘っこく、没入した解釈とは一線を画する、客観的な視線を常に持ちながらも、じわじわと熱していくような演奏でしたが、分厚くメロウな響きを持つ群響の弦楽器とこれに溶け込む柔らかくて実存感のある管楽器群の響きとあいまって、緊張感の高い、相当な名演と感じました。

これまで、聴いた3度の群響の演奏(解説には高関さんの演奏しか掲載されていませんでしたが、実際には、尾高氏の指揮でもやっていますよね。)と比較しても、表現の多彩さ、そして音楽の厳しさにおいて、完全に凌駕していたと思います。

CDにもなっている高関前監督の演奏は、ナマで聴いているとき、表現がやや単調で、正直、高関さんの分かりやすい指揮の限界を感じてしまい、第9に関してはやや期待にはずれたと感じましたが(高関さんの指揮では、7番や3番などはとても良かった!)、今回の演奏は、最初のチェロとホルン、そしてハープの点描画のような音色が聴こえた瞬間から、「これはいい演奏会になるな」と予感させられ、その予感は、最後の音を聴くに至り、完全に実現したと感じました。

本当に複雑で構成の大きな第1楽章はもちろん素晴らしかったですが、第2、第3楽章では、マーラーのオーケストレーションの面白さを100%味わえることができました。特に悪魔と天使が対決しているような激烈な第3楽章は、スピード感と彫の深さが共存していて素晴らしい名演奏でした。神秘的な中間部のトランペットソロやビオラのソロは、本当に感動的でしたし、コントラバスをはじめとした中低音の弦楽器の深くて、分厚い響きに本当にしびれました。

最後の、弦楽器中心の第4楽章に至っては、何度も涙があふれてしまいました。バーンスタインのような没我していくような表現ではなく、大変、構成感を大事にしていく丁寧な演奏でしたが、若いコンサートマスターが引っ張る弦楽器群が大変素晴らしく、芳醇な音色が会場中をやさしく包んでいくようでした。全体に人間性を謳歌しているような雰囲気で、ワルターが「青空に溶けていく白雲のよう」と表現した最後の部分も、神秘的というより、温かい気持ちになるようで、最後のヴィオラの音形を聴いて最後に感涙してしまいました。

僕は、これまで、哲学を勉強してきましたが、「形而上学」という言葉が本当に身近に感じられるのは、こうした表象の臨界に近づいた作品を聴いたときです。この作品、CDもたくさん持っていますが、気楽に何度も聴くという作品ではないですね。生と死、愛と性、楽と苦、様々な人生と哲学感が作品に表現されているような作品に対して、やはり、一期一会的に演奏会でしっかりと向き合って聴くのことが大切と思います。今回は、娘と息子も連れていきました。正直、この作品を聞かせるにはちょっと早いかなと思ったのですが、子供たちはそれぞれ深い感銘を感じてくれたようでした。

このような作品をこんな素晴らしい演奏で身近に聴ける僕らは本当に幸せだと改めて感じましたね。明日は、桐生でまたこの作品が演奏されます。このブログを読んでいる方で、今日の高崎の定期を聴かなかった方は、絶対に明日、桐生に聴きに出かけることをお薦めします。

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下野さんのフランク期待どおり! [群馬交響楽団]

今日の群響定期は大満足でした。

演奏曲は、ラヴェルのスペイン狂詩曲、サンサーンスのバイオリン協奏曲第3番、フランクの交響曲ニ短調。

指揮は下野竜也さん、バイオリンはドイツのハノーファ国際コンクールで優勝した三浦文彰君。今期の群響定期の中では期待の演奏会でした。

やはり下野さんの指揮はよかった!ラヴェル、フランクの粘っこい音楽づくりは全体構造がしっかり計算されている感じで、作品のよさを最大限引き出していると思いました。

バイオリンもサンサーンスの曲がしょぼいこともあってか(ファンの方ゴメンナサイ)、深い感動には至らなかったけど、高校生ソリスト三浦君はさすがでしたね。端正で正確な演奏ぶりにソリストというよりオケのコンマスに向いているなと感じさせられました。同じコンクールでも、ドイツのコンクールというところがなるほどなと思いました。

さて、今回、来年度のプログラムが公表されました。まずは、番外だけど、飯守先生の登場がうれしいですね。曲もタンホイザー序曲にリストの2番コンチェルト、さらにベートーベンの田園というプログラムにはは本当に痺れました。

他にも、リング全曲のCDで知っているギュンターノイホルトの日はトリスタンにモーツァルトのオーボエ協奏曲、ブルックナーの9番という組み合わせがいいですね。
個人的には、リストは1番のピアノ協奏曲も入っていて、不思議と普段あまり取り上げないワーグナーとリストが目立つのがうれしいです。
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